壁ツェーン

オンギャーの思考回路

本名を知りたがる人々、プライバシーを侵害したがらない人々

帰ってくるやいなや、「この間会った人ってどんな名前なの」と母親に聞かれた。

概要

もちろんそれがハンドルネームを指しているわけではないのはわかるので、本名が知りたいということなんだろう。そこでぼくは「知らない」と答えた。 実際には、様々なルートによって本名をたまたま知っているオタクも多くいるのは事実だが、相手は教えたくて教えてるわけじゃないし、こちらにもメリットが一切ない。

すると先方は本当に知らないのか、と詮索してきた。おっとこれは面倒だぞ。面倒になってきたのでとりあえず理由だけでも聞いたほうがよさそうだ、となり、「どうしてそんなに知りたいんだ」と返した。

「頭が良さそうだからどんな名前なのかと思って」

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そんなしょうもない理由で僕が他人の本名をペラペラと答えるとでも思ったのか? ……いや、しょうもなくもないかもしれないな、日本語に不案内なだけかもしれない……

「なんで頭がいいかどうかが関係あるの」 「林先生がそう言ってたから」

権威で正当化していい行動ではなくない?? 素で「えぇ……」と言ってしまった。そもそも権威によって正当化される行動など無いのではないか。これは後付けだけど。

少しだけ譲歩して、「知らなくはないけど教えたくない」と言った。そうしたら、「別にすぐ忘れちゃうんだから、後で調べようとかそういうのじゃないから」だと。それは後で調べるヤツのセリフだよ。それにすぐに忘れるからという程度の担保で僕がそういう「ひょっとしたらセンシティブかもしれない情報」を教えるわけがないだろう。他人がパスワードを入力するときに目をそらさなさそうだな、とか思った。

……

どうやら母親にとって(世代とかにすると主語が無限にデカくなるから避けるよ)、友達の出自や本名を知らないというのはよほど奇怪に思えるらしい。前にも「大学でよく喋る友達なら高校ぐらい知ってる/話に出るだろう」とか、「今日会ってる人たちの写真を撮ってこい」とか言われた。心配だというならその気持ちはわかる(いずれにしても拒否したくなる)が、完全に自分の興味だけじゃないか。自分で会いにきて聞けばいいじゃん。 そりゃ話の流れでプリミティブな個人情報が公開されうるような話題にならないわけではないが、基本的にオタクトークする時間が足りていないんだからそういう話にはならないのが現実である。大学はまあ別としてTwitterやら何やらで知り合って信頼して会って話す分にはそれこそハンネがあるんだから本名など知らなくても問題はない。

そう考えると、僕は「プライバシーを侵害したがらない」人間なのかもしれない。そして母親はそれを善とはみなしていない。

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お知らせ

「お前がプライバシーを拡大解釈している」などのご意見は受け付けております。が、本名を知らないことによるセキュリティ以外のデメリットが全く思い付かないので、もしご存知のかたがいらしたら御一報ください。